高齢者の自動車運転による事故は増加の一途をたどっていますが、原付バイク運転による事故もまた同様です。
原付は値段も安く、免許も比較的簡単に取得できるので高齢者でも運転している人は多いです。
ここでは、原付バイクの危険性について解説していきます。
どんな事故が多い?
原付事故で死亡した高齢者の半分は「交差点での出会い頭での事故」です。その多くが「一時停止を守らず事故」というパターンです。
これは認知機能の低下により一時停止標識に気付かなかったという理由が多いです。もしくは気付いたけど大丈夫だと思った、など。
また、ヘルメットを正しく装着していれば死亡事故にならなかったであろう事故も多いです。
原付バイクと車、どちらが危険か
言うまでもなく、原付バイクは自分の身を守るものがヘルメットしかありません。転倒もしやすく、お年寄りでしたら転んだだけで骨折する危険性もあります。
また、車に比べてサイズも小さく、大型車やトラックの脇に隠れると全く気付かれないでしょう。危険予測できないまま車の脇から飛び出して事故に繋がるケースも非常に多いです。
そして高齢者だとゆっくり走る人が多いので、交通量が多い道だと後続車にあおられたり、横をすごいスピードで追い抜いていくドライバーも少なからずいます。
追い越しが増えると、それだけ周囲が事故を起こす可能性も高くなる事は容易に想像できることでしょう。
自動車だと最近よく聞かれるのが「アクセルとブレーキを踏み間違えて事故」というケースですが、原付ではその可能性は低いです。ですがメリットはそれくらいしかないでしょう。
鉄の箱で守られている分、車の方が確実に安全だと言えます。自分の身を守る、という点では。
そうなると次の心配があります。「加害者になる可能性」です。
2016年の10月に、認知症の疑いがある高齢者が通学中の小学生の列に軽トラックで突っ込んで死亡事故を起こしていましたが、あれが原付バイクだったらどうだったんだろう、と考えてしまいます。
どのみち悲惨な事故になってたでしょうが、周囲への被害はもう少し減っていたかもしれません。
関係のない人を巻き込む事故を起こす可能性は圧倒的に自動車の方が高いです。
しかも「他人を死なせて加害者は無傷」という被害者家族にとっては殺意すら覚える事故も少なくありません。
確かに車の方が安全です。衝突時にエアバッグは開きますし、シートベルトのおかげで車外へ飛び出すこともないです。安全の代わりに運転手以外への心配や危険が増えるということです。
結論
もちろん危険です。
加齢に伴い、体力の衰えによって転倒時に立て直すのが困難になります。
また、バランスを取るのが次第に難しくなってきます。フラフラしてしまう人はもう論外でしょう。
とても便利な原付バイクですが、使い方を誤ればあっという間に悲劇の引き金になり得ます。
どうしても運転しないといけないにしても、できるだけ交差点の少ない、見通しの良い場所に限定しておくのが無難でしょう。