父(母)の運転はそろそろ危ない!だからもう車は運転してほしくない!
でも説得するのは難しい…。
高齢者はこれまでの長い人生で頑張ってきた自負があり、プライドも高い傾向にあります。
さらに年をとることによって頑固さが増し、自分の考えを曲げる事がどんどん難しくなっていきます。あまり言い過ぎると「キレる」人もいるでしょう。
一度事故でも起こせば多少は身にしみて理解してくれるでしょうが、それでも「運が悪かった」で済まそうとする人が多いのも事実。
最近は高齢者が起こした事故、特に死亡事故が報道される事が増えてきています。
そういった事故はきっと昔からあったのでしょうが高齢者の割合が増え、社会問題化しつつあることから報道される割合が増えてきているのでしょう。
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説得は本当に難しいですが、万が一の事態になることを考えると臆してる場合ではありません。ここは頑張るしかないでしょう。
説得する方法は人によって千差万別。なので「これが正解!」なんて方法はありませんが、いくつか例を挙げてみます。
熱くならず、冷静に説き伏せる
さきほども言ったように、「キレる」人が多いでしょう。でもそれを真に受けてこちらもキレ返していては平行線をたどるどころか、泥沼化する可能性もあります。
こちらはあくまで冷静に、淡々と「このままだとどうなるか」を説明してみます。
このまま運転し続けたらどんなリスクがあるか、それによってどんな結末が待ってるか。
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客観的なデータがあるとなお良いですね。そのために父の運転をドライブレコーダーで録画して一緒に見ながら自分の状態を納得させるのも一つの手です。
運転を諦めるメリットも説明しておいた方が良いでしょう。免許を返納することで様々な特典が得られます。地方自治体によって特典は異なるので親が心を惹かれるような特典がないか調べておくのも良いでしょう。
とにかく、「車を運転しない方が総合的に得だ」ということを認識してくれれば成功ですね。
お金の問題
公共交通機関の発達した都心部なら良いのですが、田舎暮らしでどうしても車が必要な人も多いでしょう。車を手放したら移動はどうするの?という話になります。
とりあえず、一度試算してみると良いでしょう。具体的な金額が出れば車がなくてもやっていけるかどうかが分かります。
車だと、ガソリン代+車検費用などの維持費。
車以外の方法ですとバスやタクシーなどの運賃。
一年分で計算した方が分かりやすいでしょうね。
正直言って、車の方が安上がりになるパターンが多いと思います。そんな場合はかなり苦肉の策ですが車の費用に「死亡事故を起こした場合の賠償金」なんかも足してみるとか…。プライスレスの部分も多いですが。
ですが田んぼや畑を持っていて軽トラで常に荷物を運ばないと…なんて場合はなかなか厳しいですね。
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父の知人に頼る
家族の言うことだから逆に意固地になってしまう、というパターンもあります。
そこで父の知り合いに説得をお願いしてみるという手もあります。
父の友人や、父がかつて職場や仕事でお世話になった上司や同僚、得意先の方などに相談してみてはどうでしょうか。
自分が尊敬してる人も車の運転をやめた、となれば「そろそろ自分も運転をやめる歳なのか」と考える人は多いようです。
父の交友関係を知らない場合は多少の苦労とお願いする勇気が必要になりますが身内同士でいがみ合って平行線をたどるより余程効果が高そうです。
強硬手段
なるべくやりたくないですが、ほぼ強制的に運転が出来ない状態にします。やり方は様々です。キーを隠す、車を動かなくする、など。
何を言ってもどうにもならない時は仕方ないのかもしれません。親子の仲は悪くなるかもしれませんが将来起こりうる不幸を考えるといたし方ない部分もあります。
結果的に親が納得してくれて上手くいったというケースもあるようですが、これは説得とは言えない手段なので安易に行わない方が良いでしょう。
結局、何が大事か?
人は基本的に「自分はまだ大丈夫」という考えで行動する事がほとんどです。高齢になると頑固になり、自分を客観的に見れなくなるのでその傾向はさらに高まります。結果、事故を起こした後であやまちに気付いてしまうのです。
そうなる前に自分たちだけでも「加害者の家族」にならないように自衛する必要があります。
優先順位は何なのか考えてみるのも良いでしょう。親の不自由ない生活が一番なのか、それとも自分自身(家族含む)の安心か。
お互いが良いバランスで折り合いが付けば最高ですね。