2016年10月28日、横浜で87歳の男が運転する軽トラックが小学生の列に突っ込み、小学校1年生の男の子が死亡するという事故が起きました。
容疑者は「なぜ現場を走っていたかわからない」と話しており、認知症の疑いがもたれています。
容疑者の免許は2013年12月に更新されており、認知症の検査も受けています。つまりその時点では問題がなかったと判断されているわけです。
ここでは、認知症の進行速度と免許制度について解説します。
認知症はどれくらいの速度で進行する?
横浜の事故の容疑者は免許を更新して3年未満、つまり免許更新寸前で事故を起こしています。
容疑者の行動は認知症中期にみられる「徘徊」に近い症状と思われます。
3年前の免許更新直後に認知症になったとしてもあのような状態になるまでに3年もかからないというわけです。
もちろん、早期発見と適切な対処があれば進行は遅らせる事もできますが放置しておくと3年どころの話ではありません。
現在の免許制度
現在、高齢者の免許の有効期限は71歳以上で3年になっています。
ですが2017年3月の道路交通法改正により、75歳以上のドライバーが違反等をしてそれが認知症によるものだと認められた場合は免許取消しになる可能性もあります。
ですが逆に言えば「違反や事故をしない限りは運転できる」ということなので今回のような事故はまだ起きる可能性はあります。
最も重要な問題
将来的に法整備がもっと進んだとしても限界があります。認知症になって免許取消になったとしても「自分が免許を持ってない事を忘れる」可能性があるからです。
車はある。キーもある。なら、乗る可能性はあるわけです。
そうならないためにも日頃から最低でもキーの厳重な管理だけはしておくべきです。
最後に
もし自分の親が認知症の疑いがある場合は直ちに専門医の受診を促すべきでしょう。認知症のドライバーが事故を起こした場合はその親族が責任を問われる可能性がありますので。