認知症を患っていたお年寄りが運転していた車が死亡事故を起こしてしまい、多額の賠償金を請求されてしまった!
そんな場合、賠償金は自動車保険で補填されるのでしょうか。
賠償金の内訳
賠償金と一口に言ってもその中身は状況により異なります。
慰謝料
慰謝料は被害者本人に対する慰謝料の他に遺族に対する慰謝料も発生する可能性があります。
被害者本人・遺族分含めて合計で最大1300万円の慰謝料が発生しますが、あくまでもこれは自賠責基準であり、被害者側に優秀な弁護士がついた場合は2000万円を超える事もあります。
逸失利益
被害者が働いている人だった場合、「事故がなければ遺族が得られていたであろう利益」も請求される可能性があります。
これは計算式があり、被害者の状況により大幅に変動しますが、働き盛りの30代~40代のサラリーマンを死亡させた場合は最低でも3000万円は覚悟しておいた方が良さそうです。
葬儀代
自賠責基準額だと60万円になります。
自賠責保険で補償される?
車を運転する場合、自賠責保険には強制加入させられますし(義務)、まず未加入ですと車検すら通らないので自賠責に加入してない人はいないでしょう(もしも未加入ですと1年以内の懲役か50万円以下の罰金です!)
自賠責では、被害者が死亡した時に最高3000万円、後遺障害の場合4000万円まで補償されています。
基本的に被害者救済のための保険なので加害者が認知症であっても加害者が自賠責に入っていれば補償されます。
ですが、それだけで全てカバーできるでしょうか。
相手が働いておらず、遺族もいない状態(完全に孤立無援な人)なんてそうそうあるものではありません。
任意保険
賠償金が高額になって自賠責では賄えない場合に活躍するのが任意保険です。
補償される金額も選べますしいざという時の心強い味方になってくれます。
ですが補償されるかどうかは保険会社によって異なります。状況によっては保険金減額、もしくは免責(支払われない)ということも十分考えられます。
任意保険に加入している人は今一度約款を見てみるか、保険会社の担当に確認することをおすすめします。
近年の高齢者の交通事故、とりわけ認知症による事故の増加により保険会社も規約を厳しくしていく事が予想されます。全て補償していたら保険会社も経営が傾きますからね…。
まとめ
どんなに高い保険に入っていても支払われなければ意味がありません。
事故が起きないのが一番良いのですが認知症患者の運転は極めて事故を起こす確率が高く、事故を防ごうと思ったら物理的に車を運転できない状態にするしかありません。
保険では取り戻せないものもあるということをしっかり頭に入れておきましょう。